3月16日(土)、今年度第3回目の文化講演会を開催しました。
今年度は「日本の四季に寄せる平安人の心」をテーマに、春の到来を待つ今回は「春は花から花への競演」と題して、大妻女子大学名誉教授の柏木由夫先生にご講演いただきました。
春の歌題として取り上げられている中から、
- 霞…春の訪れのベール~平安和歌に見られる霞~
- 梅…春の喜びを表す花~平安和歌に見られる梅~
- 桜(1)…「古今和歌集」~平安和歌での自然との関わりの推移~
- 桜(2)…「古今和歌集」から後へ~平安和歌での
- 桜(3)…「新古今和歌集」へ
- 山吹…黄金輝く花
- 藤…春遅く薄紫にゆらぐ波
について、その歌題にちなむ和歌の解説をわかりやすくお話しくださいました。
いつものようにたくさんの資料をご準備いただき、丁寧に解説していただきましたので、
春を待ちわびていた平安人の心情が、和歌を通してうかがい知れるような気持になりました。
大河ドラマで放映中の「光る君へ」にちなみ、「源氏物語」で取り上げられている「藤」についても触れられるなど、大変中身の濃い、興味深い講演会となりました。
また、講演後には長年、柏木先生が研鑽を積んでいらっしゃるフルート演奏を聞かせていただきました。
筝曲による「春の海」の演奏に合わせてのフルートの音色は、尺八とも異なるきらきらと輝く春の海を連想する素晴らしいもので、参加した方からも大絶賛でした。