文化講演会「陰陽五行の世界」~平安文学にみられる陰陽道~

312日(土)、今年度の大妻コタカ記念会文化講演会「陰陽五行の世界」の第2回となる「平安文学に見られる陰陽道」を、大妻女子大学や大妻多摩高等学校他で非常勤講師をしていらっしゃる深澤瞳先生にご講演いただきました。

講演は「陰陽道」とは? ということから始まりました。

平安時代の人々は、自然と向き合って、そのあらゆる現象に「意味」を感じ取って生きていました。

天体の動きや動物の行動などに異変を認めると、それを「天啓」と捉えて、様々な資料(史料)からその現象の意味を解き明かそうとし、そのために律令の中で「陰陽寮」という組織がありました。

 

その一部門が「陰陽道」で、そこに陰陽師が属し、皇族や貴族たちの生活の安寧のために「異変」を見逃さないように、自然と対峙していたのです。

ある出来事が「凶事災厄の前兆」であるかどうか、「物忌」が必要かどうか、必要ならいつ籠るのかを、陰陽師は陰陽五行の考えを基にして判断していました。

そして、その物忌日の過ごし方も状況によって様子が違っていることを、「小右記」や「御堂関白記」により説明していただき、最後に平安時代の日記文学である「蜻蛉日記」ではどのような場面で「物忌」や「方忌」が登場しているのかを鑑賞しました。

豊富な知識によるお話はとても興味深く、時間を延長してお話しいただき、参加された皆さんも熱心に聞き入っていらっしゃいました。

古来から日本人の生活に深く根付き、行動の判断基準になってきた「陰陽五行説」。

知れば知るほど日本人の知恵や発想の豊かさを感じました。

多くの方に好評をいただきました今年度の文化講演会でしたが、来年度は「知られざるメルヘンの世界」をテーマに開催いたします。詳細は会員の皆様には会誌「ふるさと」で、またこのホームへーじでもお知らせいたしますので、奮ってご参加ください。

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